共生、未来へ駆ける 東京マラソンに3万6647人 - 東京新聞(2016年2月29日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201602/CK2016022902000133.html
http://megalodon.jp/2016-0229-1528-51/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201602/CK2016022902000133.html

東京マラソン2016」(東京マラソン財団主催、東京新聞など共催)が28日、東京都庁から臨海副都心東京ビッグサイトまでのコースで行われ、国内外の一流選手や市民ランナーら3万6647人が、早春の都心を駆け抜けた。
今夏のリオデジャネイロ五輪の国内代表選考を兼ねたマラソン男子は、フェイサ・リレサ(26)=エチオピア=が初優勝。高宮祐樹(28)=ヤクルト=が日本人トップの八位に入った。女子はヘラー・キプロプ(30)=ケニア=が大会記録を更新して初優勝した。
今回から国際レースとなり、リオ・パラリンピックの国内代表選考を兼ねた車いすラソンでは、男子は洞ノ上(ほきのうえ)浩太(41)=ヤフー=が日本人トップの三位、女子は土田和歌子(41)=八千代工業=が大会九連覇で、ともに代表に内定した。男子はクート・フェンリー(34)=オーストラリア=が優勝した。
十回記念の今回、マラソンは三万六千百七十二人(うち車いす二十二人)、十キロの部は東日本大震災被災地の高校生や障害者ら四百七十五人が出場した。全体で三万五千百八十七人が完走し、完走率は96・0%。外国人ランナーの参加は六千四百五十六人と過去最多だった。


車いす女子V9 土田リオ切符
フィニッシュラインを切る際、右手を大きく引き、ガッツポーズした。「(リオへの出場権を)やっと取れた。ほっとした」
九連覇で今夏のリオデジャネイロパラリンピック出場を内定させた土田和歌子は、トレードマークの笑顔を爆発させた。
代表選考が始まった昨年十一月の大分国際車いすラソンは、熱中症のため十キロすぎで途中棄権。リオへの切符は東京に持ち越していた。
日本パラ陸上競技連盟は四月のロンドンマラソン大会も正式決定への選考レースに含むが「本番に向けて準備もある」と東京での内定を目指してきた。
「国際化され、二〇二〇年東京パラリンピックに向けた変革の大会」と臨んだ今レースは、その力を互いに認め合うタチアナ・マクファーデン(米国)との事実上の一騎打ち。「勝負どころ」と踏んだ残り一キロの下り坂で一気に抜き去り、勝負を決めた。
夏季、冬季両方のパラリンピックで金メダルを獲得してきた障害者スポーツの第一人者も、二〇〇四年アテネ大会以来、二大会メダルから遠ざかっている。
この間、結婚し、長男慶将(けいしょう)君(9つ)が生まれた。
ゴール後、駆け寄る慶将君を、レース中の厳しい表情とは全く違う柔らかな母の顔で迎えた。「家族はチーム。一丸となって頑張りたい」。家族の支えを糧にリオに挑む。 (荘加卓嗣)