発達に課題抱える子どもたち 就労先増やしたい:神奈川 - 東京新聞(2016年2月19日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/list/201602/CK2016021902000173.html
http://megalodon.jp/2016-0220-1046-20/www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/list/201602/CK2016021902000173.html

発達に課題を抱える子どもたちの働き先を増やそうと、障がい者の就労を支援する民間企業「ダンウェイ」=川崎市中原区=が、ウェブサイトづくりを学べるプログラムを開発した。四月から販売する。同社の永栄(ながえ)和久企画室長は「パソコンを操作しながら文章力も身に付く。職域はウェブサイト制作に限らず、事務系などの仕事にも広がると思う」と話している。 (山本哲正)
学習面の発達で課題のある子や、不登校を経験した子たちなども通う、星槎(せいさ)学園中高等部北斗校(横浜市緑区)の活動発表会が九日、川崎市内で開かれ、高校生約二十人がダンウェイのプログラムでサイトづくりを学んだ成果を紹介した。
ステージ上のスクリーンに、作ってみたサイトの画面を映し出した。横浜市川崎市の港の夜景や鉄道の写真が配置され、生徒たちは「隠れた名所を紹介したくて作った」と説明。
また、「黒は落ち着いた色」と、配色を学んだことを生かし「見やすいように写真の背景を黒にした」と解説した。
十二回計三十六時間の授業を振り返り、「写真のコピー(複写)&ペースト(貼り付け)が楽しかった。将来はパソコンを使う仕事をしたい」と抱負を語る生徒も。
同校は、進路希望別の実習を重視し、高校普通科の卒業資格も得られる。今回のダンウェイの実証授業にも協力。これについては川崎市も、福祉分野の課題を解決する事業として、資金を支援した。
この教育プログラムで使うのは、ダンウェイが二〇一二年、半導体大手のインテルと開発したウェブサイト制作ソフト「ICT治具(じぐ)」。知的障がい者でも、作業しやすいのが特徴だ。
昨年九月からの実証授業では、「情報発信するテーマの決め方など表現の基本」「寒色、暖色などデザインの基礎知識習得」「サイト作りの実習」と、段階を踏んできたという。永栄企画室長は「悩む生徒には、まずサイトに写真を貼り付け、そこに写真の説明文を付ける手順をアドバイスした」。
北斗校の渡辺保子校長は「スマートフォンやパソコンは使っても、関連の仕事ができるほどの教育はこれまで弱かった。サイトを作ることができる力がつき、就く職域が広がる」と期待する。
今回の教育プログラムは四月から、特別支援教育の学校現場などに向けて販売する。問い合わせはダンウェイ=電044(740)8837=へ。