「黒人、奴隷が米大統領」 参院憲法審で自民・丸山氏 - 東京新聞(2016年2月18日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201602/CK2016021802000141.html
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自民党丸山和也参院議員(70)は十七日の参院憲法審査会で、オバマ米大統領について「米国は黒人が大統領になっている。黒人の血を引くね。これは奴隷ですよ。はっきり言って」と人種差別的な発言をした。各党の参院議員が憲法のあり方を公式に議論する場での発言だ。その後に記者会見を開き、陳謝した。 (中根政人)
丸山氏は憲法審査会での質疑で「日本が米国の五十一番目の州になることに憲法上どのような問題があるのか」と提起。日本が米国の州になった場合は「日本州出身(者)が米大統領になる可能性が出てくる」と自説を開陳した。続けて「米国の建国当初には、黒人、奴隷が米国の大統領になるようなことは考えもしない」と述べた。
衆参両院の憲法審査会は、憲法に関する総合的な調査や改正原案の審査を担う機関。この日は、衆院参院の二院制をめぐり、自民、民主両党がそれぞれ推薦した学識経験者の参考人二人から意見を聴取。各党委員が順次、参考人に質問する形式で持論を述べた。丸山氏は参院の役割を論じる中で、唐突に「米国の五十一番目の州」を取り上げ、「奴隷」発言に及んだ。
審査会後、丸山氏は国会内で緊急に会見し「議事録を精査した上で削除、修正したい。誤解を与える発言をしてしまって大変申し訳ない」と述べた。自身の発言について「(米国では)人種に関係なく大統領になれるということだ。ダイナミックな変化を受け入れる国だということを言いたかった」と記者団に釈明した。
丸山氏は当選二回。自民党法務部会長。弁護士、タレントを経て、二〇〇七年の参院選比例代表で初当選した。
◆丸山議員の発言要旨
参院憲法審査会】
ややユートピア的かもしれないが、例えば、日本が米国の五十一番目の州になることに憲法上どのような問題があるのか。(米国の州になれば)集団的自衛権、(日米)安全保障条約は全く問題ない。拉致問題すら起こっていないだろう。いわゆる国の借金問題についても、行政監視のきかないような、ずたずたの状態には絶対なっていない。
米国の制度にあれば、人口で下院議員の数が決まる。おそらく「日本州」は最大の下院議員選出数を持つ。世界の中の日本と言うけど、日本州出身が米大統領になる可能性が出てくる。ということは世界の中心で行動できる。
ばかみたいな話だと思われるかもしれないが、今、米国は黒人が大統領になっている。黒人の血を引くね。これは奴隷ですよ。はっきり言って。まさか米国の建国当初には黒人、奴隷が大統領になるとは考えもしない。ダイナミックな変革をしていく国だ。
【記者会見】
私の意図するところと違う発言をしてしまった。議事録を精査し、(参院憲法審査会)幹事の了解を得て、訂正か削除をしたい。誤解を与えるような発言で大変申し訳ない。
発言しているときには全然気が付かなかったが、いろいろ考えてみると誤解を与えるところがあった。