宜野湾市長に現職・佐喜真氏 新基地を「非争点化」 焦点は参院選に - 東京新聞(2016年1月25日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201601/CK2016012502000114.html
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安倍政権と翁長雄志(おながたけし)沖縄県知事の「代理対決」になった宜野湾市長選は、政権が推す佐喜真(さきま)淳氏が再選された。佐喜真氏は同市が抱える米軍普天間(ふてんま)飛行場の移設に伴い、名護市辺野古に新基地を建設する計画の争点化を避ける戦術で勝利した。 (金杉貴雄)
翁長氏が擁立した志村恵一郎氏は新基地建設を最大の争点とし、反対を主張。佐喜真氏は新基地には触れず「普天間の固定化を阻止する」とのみ訴える一方、経済振興など地元の課題に力を入れた。その結果、新基地に関する議論は盛り上がらなかった。
宜野湾市民が「どんな形でも一刻も早い普天間返還を」と願うのは当然だ。そんな中でも志村氏が二万一千を超える票を得たのは、基地負担の県内つけ回しとなる新基地を政権が強行していることへの批判が、現に基地被害に苦しんでいる宜野湾市民でさえ強いことを示した。
政権は佐喜真氏の勝利を受け、辺野古沖の埋め立て工事をさらに推進する構えだ。翁長氏にとって、国との法廷闘争は先行きが見えないだけに知事選、衆院選の県内全小選挙区で反対派が勝利したのに続き、普天間の地元で「直近の民意」を得たいところだった。
夏の参院選の沖縄選挙区(改選数一)では政権が推す現職の島尻安伊子沖縄北方担当相と、知事ら新基地反対派が擁立する候補が激突する見通し。佐喜真氏が争点化を回避したことで、全県での「民意」の結果がより重みを増すことになった。

◆翁長知事「反対姿勢を堅持」
宜野湾市長選で政府・与党が支援する佐喜真氏が勝利したことについて、翁長知事は二十四日夜、「一般的にはやはり普天間基地の重圧を何とかしてくれというのは、市民としてあったと思う」と述べた。
自身の県政運営については「これまでの姿勢を堅持し、県政の重要課題としてやっていく」と述べ、あらためて辺野古移設反対の意向を示した。
一方、佐喜真氏に対しては「争点外しという意味では、新辺野古基地には触れずに普天間の返還、固定化反対で(選挙を)戦った。新辺野古基地には言及しきれなかった」と評した。