こうすれば安倍政権は倒せる!スペシャル対談 - 日刊ゲンダイ(2016年1月1日)

小林節 我々が野党を包囲する まとまるように追い込んでいく
小沢一郎 野党共闘で80議席以上取れる 与野党逆転で政治は変わる
http://www.kodomo-hou21.net/pdf/kobayashi20160101.pdf

(小林節)「民主党幹部が共産党について『革命政党とは一緒になれません』と言っていました。しかし、革命といえば米国の独立戦争もそう。明治憲法から日本国憲法に変わったのだって革命です。仏の人権宣言でも革命で出てきた。」「革命というのは単に不連続に体制が変わること。過去の革命はみな、内容的にいい方向に変わっています」

(小沢一郎)「しかも共産党は現在の日本国憲法の体制を革命でぶっ壊そうと言っているのじゃない。護憲政党ですし、安保や自衛隊も仕方がないというところまで踏み込んでいる」

(小林節)「宇都宮でのシンポジウムで年配の女性が『共産党は信用できない。自衛隊違憲日米安保違憲と言ってる。あの中国を見たら、あなたたちにこの国を委ねるわけにはいかない』と怒ってる。だから僕は『共産党は独自の政策は凍結、護憲派だから自衛隊を使うと志位さんもはっきり言っている』」「『安倍首相こそが、この国を戦争に持っていこうとしてる。共産党のほうがいいに決まっているでしょう』と言うと、女性はストンと腹に落ちたように『ごめんなさい』と納得していました」

(小沢一郎)「日本では野党が連携するとなるとすぐ、『野合だ』『選挙目当ての数合わせだ』と批判するのもおかしい。フランスの地方選挙を思い出してください。極右の国民戦線を排斥するため、今まで喧嘩していた右派連合と左派連合が協力したんです」


(小林節)「山口那津男代表は『(自公の)連立合意に憲法改正は入っていない。自民党公明党は別の党だから政策が違うのは当たり前』と言ってました。政策が異なるのに連立を組むのは権力をエンジョイするためなんですか?これこそ野合じゃないですか」

(小沢一郎)「民主主義でよりベターな選択をするのが選挙。それを大きなメディアが『野合だ』と野党ばかり責める。自公のほうがよっぽど野合だと思う」

(小林節)「我々が求めている野党連携は安倍首相と公明党によって破壊された憲法を回復するという最低限の大義です。野合だなんて言うのは失礼です」「このまま安倍政権が続いていいのか、となれば共産党の助けを借りても勝たなきゃいけないのに民主党のずうずうしいところは自分から協力を求めるのではなく、共産党が候補者を出さないでくれれば我々が勝てる、なんて言う人がいることです」

(小沢一郎)「民主党は年代の若い議員が多いのに、ものすごく頭が硬直しているように思う。共産党だけじゃなく社民党に対しても名前を聞いただけで毛嫌いする人がいる。政治を変えていこうという野党の政治家として、旧来の感覚や発想ではダメだと思う」

Q(日刊ゲンダイ自民党の方がはるかにしたたか。

(小沢一郎)「そりゃ政権を取るために村山富市さんを首相に担ぎ、社会党内閣をつくったんですからね。党内に反対もあったけど、手段を選ばないことの良し悪しは別として、権力への執念が違う。だから長期政権なんです。野党はそこが全然ダメです」「今の野党には政権を取って自分たちの政策を実行するんだ、というエネルギーがない。結局、民主党政権のトラウマというか、役人に操られて何もできず失敗した、という諦めがあるんじゃないかと思う」

(小林節)「有権者にもトラウマがある」「自民党とそしてそれと50年以上つながった役人と業界の鉄の三角形に手玉に取られた。しかし、だからといって自民党がいいという話にはならないはずです。政権復帰した自民党は以前より悪い政党になってしまったわけですから

(小沢一郎)「神様仏様じゃないんだから、絶対的な正義や善はない。結局、選挙は相対的な選択。マシな政権に投票する以外にないんです。そういう意味で国民は棄権しちゃいけない。14年は09年より2000万人が棄権。この票がどの党であれ、野党に入っていれば自民党の圧勝はありますんでした」

Q(日刊ゲンダイ野党共闘の候補者調整の基準は1点、勝てる候補ですよね?
(小沢一郎)「そう、絶対に情を挟んではダメ。みんなから恨まれるけど誰かが泥をかぶって決めなきゃならない。でも独自の世論調査をして、その選挙区に入って候補者の活動状況や周囲の評判を調べれば、どの候補者が強いかすぐ分かります」