防衛装備庁、中古武器輸出を検討 「無償・低価格」特例法で - 東京新聞(2016年1月1日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201601/CK2016010102000114.html
http://megalodon.jp/2016-0101-1042-20/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201601/CK2016010102000114.html

◆転売リスク 手つかず
<解説> 日本の武器輸出政策が原則禁止から原則容認に変わって一年九カ月、輸出への地ならしが進む。防衛省が設置した武器輸出の課題を検討する外部有識者会合は、中古武器の無償・低価格輸出のほか、政府系銀行から武器購入国への融資など多岐にわたって提言し、防衛装備庁が個々に検討している。
外交面でも準備は進む。武器輸出には、情報保護や目的外使用を禁じるなど協定を結ぶ必要がある。政府は十一月にフィリピンと協定締結で大筋合意し、十二月にインドと締結した。オーストラリアへは潜水艦の売り込みを進めている。
防衛省幹部は武器輸出の意義を「武器の操作や整備、補修などを通じ、他国の軍人と自衛隊が交流を深めることは、日本とその国との安全保障を強化させるものだ」と説明する。しかし、技術流出や輸出した武器が第三国に転売される危険など、クリアしなければならない問題は多い。
武器輸出が本格化すれば、日本人が造った武器によって人々が殺傷されることも現実となる。戦後日本が歩んだ平和国家の道のりは、過去のものとなりかねない。 (望月衣塑子)