国立マンション訴訟 逆転敗訴 元市長「市民派の芽摘む」 - 東京新聞(2015年12月24日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201512/CK2015122402000122.html
http://megalodon.jp/2015-1224-0920-00/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201512/CK2015122402000122.html

東京都国立市のマンション建設をめぐり、市が業者に支払った損害賠償金約三千百万円の支払いを上原公子元市長に求めた訴訟で、市の請求を認めなかった一審判決を取り消し元市長に全額の支払いを命じた東京高裁(小林昭彦裁判長)判決の報告集会が二十三日、同市内であった。上原元市長は「余計なことをすると上原みたいになると思われたら、市民派の首長が生まれる芽を摘むことになる」と語り、上告する考えをあらためて明らかにした。
集会には市民ら五十人以上が参加。判決は「マンション建設が大学通りの景観を害すると考えた元市長が市民運動を利用した」と認定したが、反対運動にかかわった市民は「運動は国立に根付いている住民自治の精神の表れだった。上原さんに動いてもらうのに本当に苦労した」と述べ、高裁の判断に怒りをぶつけた。
上原元市長は「高裁は議会の議決権に関する判断をきちんとしなかった。(マンションの景観問題という)国立市民が誇りとすべき市民自治の成果が泥にまみれた。民主主義が瀬戸際に来ている」と強調した。
一審の東京地裁判決は、業者が賠償額と同額を市に寄付して実質的な損害がないことや、市議会が二〇一三年に元市長への請求権放棄を議決したことなどを踏まえ、市の請求を退けた。しかし、控訴審が始まった後の今年五月、選挙で会派構成の変わった市議会が一転、請求権行使を求める議決をした。高裁判決は「市は最新の市議会の議決に従うべきだ」と判断した。