<ひと物語>発達障害児を支援 NPO法人・風の子代表 水口進さん(59):茨城 - 東京新聞(2015年12月6日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201512/CK2015120602000151.html
http://megalodon.jp/2015-1207-0915-32/www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201512/CK2015120602000151.html

茨城に来て今年で十年目。療育を行う専門施設が少なく「まだまだ療育後進県」と感じる。保健師が、子どもの障害を早期発見しても、うまく対応できないケースが少なくないという。
先月下旬、元県教育委員(71)が会議の席上、子どもの障害の有無について「妊娠初期に分かるようにできないか」「県では(障害児の出産を)減らしていける方向になったらいい」などと発言し、辞職した問題に「絶対言ってはいけないことだ。多くのお母さんたちを傷つけた」と憤る。一方で「県の障害者への対応が十分でないことが表面化したともいえる」と指摘する。
これからの時代に求められるのは、障害児を長期的に支えていく地域の人材の育成と考えている。「障害児とともに長く走れる伴走者を育てたい」と話し、障害者に寄り添う臨床心理士の育成に力を注ぐ。
夢は「障害者も楽しく働ける駄菓子屋を水戸市内で開くこと」。障害者に寄り添った社会づくりをさまざまな方面から目指す。 (山下葉月)
<みずぐち・すすむ> 1956年10月、青森県弘前市生まれ。秋田県小児療育センターや同県内の児童相談所を巡回し、多くの障害のある子どもたちに接してきた。06年から水戸市常磐大大学院の教授に就任した。水戸とつくば両市内の障害者就労支援施設のアドバイザー、子育て環境などについて話し合う水戸市の「子ども・子育て会議」の会長も務める。