放送倫理機構の「圧力」批判に 自民幹事長「口つぐむのがいいのか」- 東京新聞(2015年11月10日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201511/CK2015111002000136.html
http://megalodon.jp/2015-1110-0920-53/www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201511/CK2015111002000136.html

NHKと民放が第三者機関としてつくる放送倫理・番組向上機構BPO)がNHK報道番組「クローズアップ現代」のやらせをめぐる意見書の中で、自民党の事情聴取や総務省の厳重注意を「圧力」「介入」と非難したことに対し、同党の谷垣禎一幹事長は九日の記者会見で「報道の自由があるから、やらせに一切口をつぐんでいるのがいいとは思えない」と反論した。
谷垣氏は「放送は貴重な電波資源を使っている」と指摘。同様の事例があれば「来てもらって実情を聞くことはある」と、今後も放送局幹部らから聴取する可能性を示した。菅義偉(すがよしひで)官房長官も記者会見で、総務省の厳重注意を「放送法を所管する立場から必要な対応」と強調。BPOに対し「放送法に規定する番組編集の際の順守事項を単なる倫理規定と誤解している」と述べた。
谷垣氏らの発言を、民主党枝野幸男幹事長は「行政や与党は報道に最も抑制的でなければならない」と批判した。
意見書はBPO放送倫理検証委員会が六日公表し、NHK側の「重大な放送倫理違反」を明記。一方でNHK幹部から事情聴取した自民党総務省の対応を「政権党による圧力そのもの」「政府が個別番組の内容に介入するのは許されない」と非難していた。