「政権交代へ野党結集を」 9条めぐり公開討論会 - 東京新聞(2015年10月21日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201510/CK2015102102000120.html

解釈の余地のない新たな憲法9条を制定し、自衛隊の活動拡大に歯止めをかける考え方について意見を交わす公開討論会が20日、東京都千代田区参院議員会館で開かれた。学識者らが、安倍政権による集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の変更や、安全保障関連法の制定を批判し激論を交わした。 (荘加卓嗣)
参加したのは慶応大の小林節名誉教授、評論家の佐高信(さたかまこと)氏、作家の落合恵子氏、東京外語大大学院の伊勢崎賢治教授。
伊勢崎氏は、他国から攻撃を受けた際、国内に限定して武力に訴える個別的自衛権の行使と、その場合の交戦権を新たに認める一方、自衛隊だけでなく在日米軍についても海外での武力行使を禁じる新九条の制定を提唱し、「(米軍駐留に関する)日米地位協定も同時に改定しないと意味が無い」と説明した。
これに対し小林氏は「政権交代して安保法を廃止すれば、現行の九条は生きる」と主張。落合氏も「護憲派が分かれてしまう。現政権を代えることを使命にするしかない」と慎重な考えを示した。
また、安保法の廃止を目的とした連立政権の樹立を共産党が呼び掛けていることに、民主党内から否定的な意見が出ていることに対し、野党勢力の結集を求める意見が相次いだ。