安保関連法案:元裁判官75人「違憲」意見書を参院議長に - 毎日新聞(2015年9月15日)

http://mainichi.jp/select/news/20150916k0000m040102000c.html
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与党が今国会での成立を目指す安全保障関連法案について、元裁判官75人が15日、「違憲の立法を強引に推し進めようとしている」とする意見書を山崎正昭参院議長に郵送した。代表として元仙台高裁秋田支部長の守屋克彦弁護士(80)ら5人が東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見し、「適切な手続きを経ないと法律の信頼は得られない。日本の針路、憲法の将来を憂慮している」と訴えた。
意見書は法案について「多くの憲法研究者や、元内閣法制局長官、元最高裁長官までが違憲の趣旨を鮮明にしている」と指摘。司法界からの政治的発言は日本の歴史ではまれだとしつつ「立憲主義、法の支配の価値に忠実であろうとする、やむにやまれぬ発言で、共感する」としている。
守屋弁護士が起案し、全国の元裁判官100人超に賛同を呼びかけた。賛同者には約20人の地裁所長経験者が含まれており、守屋弁護士は「日本の裁判の中核となった人たちの意思表明」と説明。元名古屋高裁裁判長の田村洋三弁護士(72)は「憲法を守ることを職務としてこれまで全力を尽くしてきた。現職の裁判官も同じ気持ちだと思い、代弁しようと賛同した」と述べた。【島田信幸】