なぜ自民党は60年もの間、党是である「憲法改正」ができなかったのか?(田原総一朗さん) - BLOGOS(2015年9月7日)

http://blogos.com/outline/132443/

では、なぜいま、「憲法とは何か」を改めて考えざるを得ないのか。言うまでもなく、安保法案の審議が大詰めを迎えているからにほかならない。ほんとうならば安倍首相は、「改憲」を実現したうえで、安保法制の整備を図りたかった。ところが、自民党内では「改憲は難しい」という声が強く、いわゆる「解釈改憲」で押し切ることになったのだ。結果、野党のみならず、自民党が証人として召集した学者までもが、「違憲」だと述べ、混乱が広がった。

何度も書いたことだが、これまでのアメリカ頼みの安保体制のままでいられなくなっているのは事実だ。では、今後、安保体制をどう整えていくのか。この本質的な論議がなされていない、そのことがもっとも問題であろう。

「国のあり方」を議論していない。そこに問題の核心がある、と僕は思っている。そして、「国のあり方」を定めるのは憲法にほかならない。

憲法改正は、自民党結党以来の党是だ。安倍首相は、スタート地点に戻って、「憲法」と「安全保障」のあるべきかたちを、正面から国民に問いかけるべきなのだ。