都立中など31校 歴史・公民に育鵬社教科書を採択 - 東京新聞(2015年7月23日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015072302000252.html
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東京都教育委員会は二十三日、都立の中学校や特別支援学校中学部が来年度から使う歴史と公民の教科書に、「新しい歴史教科書をつくる会」の流れをくむ育鵬社版を選んだ。同社は、つくる会に協力していた扶桑社の子会社で、扶桑社版などの教科書も含めると、二〇〇一年から五回連続での採択となった。
育鵬社の歴史、公民教科書は、都立中や中高一貫校など十校と、点字本が必要な視覚障害を除く都立特別支援学校(聴覚障害、肢体不自由・病弱)二十一校で、一六年度から四年間使われる。採択は無記名投票で行われ、教育長と教育委員の計六人のうち四人が育鵬社版、二人は別の教科書に投票した。
都立中などの教科書選定では、つくる会に賛同して教育改革を目指した石原慎太郎元知事が一九九九年に初当選し、〇四年に都教委の六人全員が石原知事の任命した委員になって以降、都立の中学や特別支援学校で扶桑社などの教科書の採択が続いた。
一二年には猪瀬直樹前知事、一四年には舛添要一知事が就任し、教育委員のうち石原元知事が任命した委員は二人に減っている。
委員会後に取材に応じた中井敬三教育長は「採択理由は各委員から聞き取りをして、一カ月後に都教委のホームページに載せる」と話した。
都教職員組合の木下雅英書記長は「現場の教職員の声を聞いて選んだのか、子どもたちにとって本当によい教科書なのか」と、採択結果に疑問を呈した