練馬区教委の映画後援拒否問題 不承認の撤回求める - 東京新聞(2015年6月23日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20150623/CK2015062302000120.html
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四月に開催されたアニメ映画「うしろの正面だあれ」(有原誠治監督)上映会への後援を練馬区教育委員会が拒否した問題で、上映実行委員会などは二十二日、後援不承認の撤回などを求める声明とともに、不承認の経緯説明を求める公開質問状を区教委に提出した。 
声明では、過去の選挙運動を理由にした市民活動への後援拒否を「憲法二一条が保障する集会、結社及び表現の自由の侵害」と指摘。実行委の田場洋和副委員長は「このままでは選挙に一度でも関わった団体は後援を得られなくなる。撤回すべきだ」と語った。
共催した「ねりま九条の会」の大柳武彦事務局長も「政治的中立と称して政治活動を制限するのは、国民の政治参加を阻むことでおかしい」と話している。
区教委は、今後の対応に関して「声明の内容を見ていないので分からない」と説明。前川燿男(あきお)区長は二十二日の記者会見で「(後援するかどうかは)中身と団体と時の状況を総合的に考える。政治的に判断すること」と語った。
この映画はエッセイストの海老名香葉子さん原作。東京大空襲で家族を失った海老名さんの体験を基に描かれており、一九九一年の発表時に文部省(当時)選定、日本PTA全国協議会特選に選ばれた。
有原監督らが「今こそ見てほしい」と上映会を企画し、区教委に後援を依頼。区教委は、共催の「ねりま九条の会」が昨年の都知事選で宇都宮健児氏を支援したことを挙げ、「特定の主義主張をもって政治的活動を行う団体への承認は政治的中立性を損なう」として拒否していた。
上映会は四月二十九日に開かれ、区民ら約九百人が鑑賞した。(石原真樹)