教科書採択で緊急通知 過度な宣伝めぐり事実確認へ - 教育新聞社(2015年6月15日号掲載)

http://www.kyobun.co.jp/news/20150615_03.html
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文科省は6月5日、今年度の中学校教科書採択に関連して、教科書会社から過度な宣伝があったとして、各都道府県教委に向け、使用教科書の採択の公正確保について緊急通知を出した。違反があったと疑われる教科書会社から事情を聞くなどして、事実の把握に乗り出している。
通知では、教科書の採択に関する宣伝行為に対して「教科書採択の一層の公正確保を」と注意喚起した。域内の市町村教委と学校、教職員を対象に注意を呼びかけている。4月にも教科書見本の適正な取り扱いなどに関する通知を出している。
同省は、関東や中部地方の教委から違反行為があったと報告を受けた。それによると、教科書会社の営業担当者が教員の自宅を訪れ、理科、数学の教科書について宣伝したという。
さらに、当該教科書会社に対しては、事実を確認するために事情聴取をしており、確認されれば、再発防止策を求めていくとしている。
教科書会社の業界団体である(一社)教科書協会では、自主ルールを定めており、教員宅の訪問など過度な宣伝を禁止している。
教科書会社の過度な営業の背景には、中学校の教科書採択が4年に1度であることと、人口減少の影響で教科書発行部数が減っていることが、主な原因とみられる。
教科書は、独占禁止法の特殊指定となっていた。だが、平成18年度には、業界の自主規制が浸透してきたとして廃止された。それに替わり、文科省が翌年度から、教科書採択について公平性を保つ通知を出していた。