「安保法案9条違反」憲法審参考人が見解 「違憲立法」論戦焦点 - 東京新聞(2015年6月5日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015060502000122.html
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衆院憲法審査会は四日、憲法学者三人を招いて参考人質疑を行った。三人はいずれも、他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法案は「憲法九条違反」との考えを示した。野党は根幹にかかわる問題だとして、五日以降の衆院特別委員会で追及する構え。安倍政権が歴代内閣の憲法解釈を変更してまで成立を目指す安保法案が「違憲立法」にあたるかどうかが、論戦の焦点になる。 
参考人質疑で、自民、公明両党の与党と次世代の党が推薦した長谷部恭男早稲田大教授は、集団的自衛権の行使を認めた昨年七月の憲法解釈変更に基づく安保法案について「従来の政府見解の論理の枠内では説明できず、法的安定性を揺るがす」と批判した。与党が推薦する参考人が、政府提出法案に異論を唱えるのはもちろん、違憲と明言するのは極めて異例だ。
民主党推薦の小林節慶応大名誉教授も「日本は憲法上、海外で軍事活動する道具と法的資格が与えられていない」と指摘した。維新の党推薦の笹田栄司早稲田大教授は、これまでの安保法制が合憲性を保つ限界だったとして「今回は踏み越えてしまい、やはり違憲だという考えだ」と述べた。国際貢献の目的で他国軍支援を随時可能にする国際平和支援法案についても、参考人二人が違憲もしくは違憲の疑いが強いと指摘した。
長谷部氏は他国軍への弾薬提供や戦闘現場近くでの活動を認めたことについて、違憲となる恐れが「極めて強い」と述べた。小林氏は「戦場に後ろから参戦することになる」として、他国の武力行使と一体化するため憲法違反になると指摘した。笹田氏は言及しなかった。

2015年6月4日 衆議院憲法審査会 集団的自衛権の行使は違憲