旅券返納事件 強制回収は報道統制の一環-Tanaka Ryusaku Journal(2015年2月14日)

http://tanakaryusaku.jp/2015/02/00010700

シリアへの渡航を計画していたフリーカメラマンが外務省からパスポートを回収された。
「移動の自由」(憲法22条)、「表現の自由」(同21条)に抵触するなどと言った小難しい憲法論議ではなく、具体的な問題に落とし込もう。
フリーランスが紛争地帯に入らなかったら真実が明らかにされないまま終わってしまうということだ。
衝突あるいは一方的な攻撃が激化し、現地に留まることが危なくなったら、日本のマスコミは撤退する。
アフガニスタン、ガザ、ウクライナ・・・筆者は幾度も目のあたりにしてきた。
新聞は自社の記者を撤退させると外電の翻訳記事にAPやロイターから購入した写真を付けて報道する。テレビも同様に海外のテレビ局からもらった素材で報道する。
BBCはじめ欧米の主要メディアは、危険な状態になろうとも現地に残って報道を続ける(今回のシリアは例外)。
破壊のレベルはどれ位で、どのような虐殺が起きているのか。単純に言うと悪いのはどっちなのか、あるいは双方なのか。
この戦争は何に由来するのか。戦争の構図は今どうなっているのか・・・これらを現地に入って つまびらか にするのがジャーナリストだ。ジャーナリストは物的証拠としての写真や映像に言葉を加える。