http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015010902000134.html
http://megalodon.jp/2015-0110-0924-57/www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015010902000134.html
明治以来、国民道徳を教える「修身」は筆頭教科だった。日中戦争のころからはさらに戦時体制の教育が固められ、41年3月の国民学校令で明確な方針がうたわれた。
「皇国ノ道ニ則リテ国民ノ基礎的錬成ヲ為ス」
つまり、天皇の国が進む道に向かって、子どもたちを錬磨育成する。国民の一員としての自覚や戦う心構えが刷り込まれた。
教育現場だけではない。文部省所管の「少国民文化協会」が、子どもたちの遊びや文化の中まで踏み込んだ。
だが、その価値観は終戦で180度変わる。
少国民シリーズの著作で知られる作家の山中恒(ひさし)さん(83)は当時、14歳の血気盛んな皇国少年。「切腹するか、かまをくわえて木から飛び降りよう」。敗戦の責任をとり、自決することを真剣に考えた。染み付いた「お国のために」という考え方から解き放たれるまでに、しばらくかかった。
◆道徳教育の方向危惧
昨年末、戦う少国民を育てた文化や教育をあらためて問う新著「靖国の子」を出版。「自分でよく考えようってことを、子どもたちに伝えたい」東条首相と写真に収まった飯田さんも、終戦で「心の中の大木がへし折られた」ほどの喪失感を味わった。演劇などを通じ、自分の頭で考えることを回復させた。
最近の学校教育での道徳充実化への流れは気がかりだ。「私が戦時中、美しいと感じていた自己犠牲や愛国心。でも、そういった道徳は、国にとって都合の『いい子』をつくるためのものなんです」
- 作者: 山中恒
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