福祉充実、待機児童解消 都が10年構想で長期ビジョン-東京新聞(2014年12月26日)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014122690100029.html
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東京都は二十五日、二〇二〇年東京五輪パラリンピック大会をはさむ十年後の東京が目指す姿とその実現のための政策をまとめた「長期ビジョン」を発表した。東京の人口が二〇年の一千三百三十六万人をピークに減少へ転じるのを踏まえ、大会の成功と、これを契機としたその後の都民生活の向上を目指し、約三百六十の政策目標を掲げた。

舛添要一知事の選挙公約「世界一の都市・東京」を目指すべき将来像と位置付けた。舛添知事は定例会見で「予算をしっかりつけて政策を着実に進める。都政運営の新たな羅針盤として、都民のみなさんが夢と希望と幸せを感じられる世界一の都市東京を実現させていきたい」と述べた。
■福祉
保育サービスを利用できない待機児童は、四月時点で八千六百七十二人にのぼった。一八年四月までにサービスを四万人分増やして解消する。一九年度末までに全小学校区に放課後子ども教室を設置。学童クラブも現在より一万二千人多い約十万二千人が利用できるようにする。

高齢者施設の整備を進め、一三年度末に四万千三百四十人だった特別養護老人ホームの定員を二五年度末は六万人に増やす。介護老人保健施設は三万人、認知症高齢者グループホームは二万人にする。保育や介護など福祉人材の情報を一元管理する「人材バンクシステム」(仮称)を一七年度から運用。求職者や離職者に求人情報を発信する。
■教育・交通
英語しか使えない環境「英語村」を一八年度に新設し、小中学生と高校生が外国人から生きた英語を学べるようにする。二四年度には一日の利用者が三千人以上の全駅で、出入り口からホームまで段差なく移動できるようにする。
■エネルギー・産業
二〇年大会を契機とした水素社会の実現を目指す。二五年には燃料電池車十万台、水素ステーション八十カ所、家庭用燃料電池百万台を普及させる。都立産業技術研究センターをロボット開発支援拠点とし、大学や中小企業と一緒にロボット技術を実用化する。
■五輪・パラリンピック
東京を訪れる外国人旅行者を二四年に千八百万人に増やす。新宿や銀座など多くが訪れるエリアと二〇年大会会場周辺で、案内看板六百カ所に無料WiFi(ワイファイ)のアンテナを設置するほか、デジタルサイネージ電子看板)百基も新たに設ける。

中高生らが東京の魅力を伝える「おもてなし親善大使」千人など、外国人旅行客を迎えるボランティア四万九千人を育成。大会のマラソンコースを含む都道約百三十六キロに、路面温度の上昇を抑える舗装を施す。