「本とペンで世界は変わる」 マララさん会見、教育訴え-東京新聞(2014年12月10日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2014121002000108.html
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オスロ=小嶋麻友美】女子の教育や児童労働の問題に取り組み、今年のノーベル平和賞を受賞するパキスタン出身のマララ・ユスフザイさん(17)と、インドの非政府組織代表カイラシュ・サトヤルティさん(60)が授賞式前日の九日午後(日本時間九日夜)、ノルウェーの首都オスロ市内で記者会見した。

マララさんは「私たち二人は賞をもらうためではなく、すべての子どもたちに、立ち上がって一歩踏み出そうと伝えるためにここにいる。本とペンさえあれば、世界は本当に変わる」と述べ、世界中の子どもたちが教育を受けられるよう訴えた。サトヤルティさんは「貧困と教育、児童労働は関連しており、三つ全てをやらなければ成功しない」と決意を新たにした。

史上最年少の受賞者となるマララさんは「活動を始めた時から重圧はいつも感じている。ノーベル賞はむしろ励ましとなり、さらに力をもらった」と話した。

サトヤルティさんは「子どもの問題に、これほど世界の関心が高まったことはない。意識することは変革の始まりだ」と語り、受賞を機に児童労働などの問題が改善することを期待した。

緊張関係が続くインドとパキスタンの二人による共同受賞も話題を呼び、受賞が発表された十月、二人はそれぞれの首相に授賞式への出席を要請するとしていたが、かなわなかった。マララさんはパキスタンの首相から回答は得られていないと明かし、サトヤルティさんは「最も大切なのは国民同士の関係。互いに信頼し、尊敬し合うことだ」と訴えた。