坂本義和氏死去 戦後平和主義の理論的柱 87歳-東京新聞(2014年10月7日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014100702000126.html
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戦後の平和学をリードした国際政治学者で東大名誉教授の坂本義和(さかもとよしかず)さんが二日夜、心不全のため東京都内の病院で死去した。八十七歳。米ロサンゼルス生まれ。葬儀・告別式は近親者で行った。

旧制一高から東大法学部に進み、丸山真男さんに学んだ。一九五四年東大助教授、六四年同教授。五九年に雑誌「世界」に発表した「中立日本の防衛構想」で日本の中立化と国連警察軍の駐日論を打ち出し、注目を集めた。

反核・平和主義の理論的支柱として活躍、防衛費の国民総生産(GNP)1%枠問題やアジア諸国への戦後補償などでも積極的に発言した。国際平和研究学会の事務局長も務めた。

六八〜六九年には加藤一郎学長代行とともに東大紛争の収拾に当たった。八八年に東大を退官後、明治学院大教授、国際基督教大平和研究所顧問を歴任した。

六六年に「日本外交への提言」で吉野作造賞、「平和・開発・人権」(八九年)で石橋湛山賞

著書に「軍縮政治学」「地球時代の国際政治」「相対化の時代」「坂本義和集」(全六巻)「人間と国家」など多数。