「ぼく」が消える予感 絵本「ちいさなへいたい」人気-東京新聞(2014年9月8日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014090802000219.html
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戦争の不条理を問い掛けるベルギーの絵本「ちいさなへいたい」が今夏、売れ行きを伸ばした。日本で発売されてから丸五年、特定秘密保護法集団的自衛権の行使容認と、戦争を可能にする動きが続く。翻訳者の野坂(のざか)悦子さん(55)は「子どもにどう伝えるか、多くの人が届く言葉を探しているのでは」と話す。 (原尚子)


「あるひ、せんそうは、はじまった。どうして そうなったのか、わからないうちに」。絵本は冒頭から、何げない日常に戦争は忍び寄るという現実を突き付ける。

大人とも子どもともとれる「ぼく」が、いつの間にか武器を渡され戦場に向かう。友人の死、勝利に沸く大人たち。結びで夜空を見上げる「ぼく」が自問する。「よる、ねむれなくなるたび、ぼくはかんがえる。あれは なんだったのか」

ちいさなへいたい

ちいさなへいたい