秘密保護法 言わねばならないこと(26)異論許さぬ異常さ 言論法学者 山田 健太氏-東京新聞(2014年7月20日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/himitsuhogo/iwaneba/list/CK2014072002000173.html
http://megalodon.jp/2014-0720-1956-41/www.tokyo-np.co.jp/article/feature/himitsuhogo/iwaneba/list/CK2014072002000173.html

秘密保護法では、特定秘密の指定をチェックするため内閣官房に「保全監視委員会」、内閣府に「情報保全監察室」が置かれるが、身内の形式的な見張りにとどまる恐れがぬぐえない。このままでは秘密の監視でなく、現場の決定を追認する組織になりかねない。
 この法律には反対だが、できてしまった以上、歯止めなく秘密が拡大されないよう、監視組織が政府を見張る必要がある。そのためにはメンバーの人選や組織面での独立性が欠かせない。調査に強い強制力を持たせることも重要だ。
 こうした条件は、国会の情報監視審査会にも当てはまるのに、与党は最低限の条件も満たさない審査会を設置。司法も沖縄返還をめぐる密約公開請求訴訟の最高裁判決で、あるはずの文書について政府の説明責任を免除した。国会や司法に期待できないなら、ジャーナリズムを含めた市民社会の力で監視するしかない。