治安維持法 2度逮捕の105歳男性 「秘密法 口ふさがれる」-東京新聞(2014年4月21日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014042102000119.html
http://megalodon.jp/2014-0421-0936-15/www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014042102000119.html

戦前、言論や集会、結社の自由を大幅に制限した治安維持法が公布されてから二十二日で八十九年。同法違反に問われ、二回逮捕、投獄された男性は、百五歳の今も大阪府内で健在だ。生存する逮捕経験者では最高齢とされる。昨年末に成立した特定秘密保護法は「治安維持法と同様、国民の口をふさぐ法律だ」とし、廃止のために国民が声を上げ続ける必要があると訴える。 
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一回目の逮捕は三四年。東京・浅草の自宅へ夜、特別高等警察特高)の刑事が踏み込んできて、妻とともに連行された。「逮捕状を示さず、容疑も告げないまま『おまえは共産党だ』『天皇陛下に反対するやつは殺されても文句は言えない』と責め立てられた」
 妻は釈放されたが、西川さんは拷問も受けた。両手に手錠をかけられたまま、椅子に体を縛り付けられ、桜の木の棒で両ももを何回もたたかれた。十日間は起き上がれなかった。勾留は十一カ月に及び、執行猶予付き有罪判決を受けた。
 釈放後、大阪に戻っても特高の監視は続いた。二回目の逮捕は四〇年。知人から受け取った反戦ビラを持っていたことが理由だった。懲役二年の実刑判決を受け、服役する。「警察の留置場は房内にくみ取り便所があってとても臭かった。文字通り『臭い飯』を食べた」と振り返る。
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治安維持法> 皇室や私有財産制度を否定する活動を取り締まるため、1925年(大正14年)に制定された。28年に最高刑が死刑となり、41年にも大幅改正があった。