社会復帰妨げぬ配慮 山下議員少年法で質問-佐賀新聞(2014年04月11日)

http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2660977.article.html

社会復帰妨げぬ配慮 山下議員少年法で質問

自民党山下雄平参院議員(佐賀選挙区)が10日の法務委員会で、厳罰化を柱とする少年法改正案の是非をめぐり質問した。山下氏は「厳罰化の背景には、少年犯罪の増加や凶悪化があると思っている国民もいる」と社会的な誤解の広がりを指摘した上で、受刑期間の長期化が少年の社会復帰の妨げにならないよう求めた。

改正案は、罪を犯した少年に言い渡す有期刑(懲役・禁錮)の上限を15年から20年に引き上げるのが柱。山下氏は「罪に見合う刑はどういうものか難しい。息子を殺害された人が『適正な罰は極刑しかないし、それでも納得できない』と言っていた。被害者家族の思いはよく分かる」と被害者感情に理解を示しつつも、長期にわたる受刑が少年の社会復帰を困難にしないかという懸念をただした。

少年犯罪の現状については、法務省の林真琴刑事局長が「刑法犯は2004年から減少し、重大犯罪も03年をピークに減少傾向。殺人は増減がない」と答えた。

谷垣禎一法相は「刑罰が著しく軽くては、少年の健全育成を考慮しても適正ではない。長期の受刑は施設の教育がどれだけきちんとしているかが大事。社会復帰のためのプログラムなどを準備する」と述べ、少年の更生と再犯防止に力を入れていく考えを示した。