特定秘密保護法案(3)崖っぷちの「知る権利」-東京新聞(2013年11月20日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013112002000162.html
http://megalodon.jp/2013-1121-1617-55/www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013112002000162.html

秘密に対する日本の官僚のおそまつさを示す一例を挙げよう。二〇〇六年と〇八年に当時の「原子力安全・保安院」の審議官クラスらが渡米した。原発への航空機衝突や火災などの場合について、対処法の説明を受けた。

だが、米国側から「秘密だ」と注意された。そのため、保安院側は原子力安全委員会にも、電力会社にも伝えなかった。原発の過酷事故に関する重要情報をせっかく米国から提供されていたのに、全く生かせなかったわけだ。

秘密情報であっても、関係機関内で共有され、活用されなくては何の意味もない。重罰で秘匿化をより強める法案は実用的でないうえ、官僚をさらに束縛する。