【政界地獄耳】小沢一郎「検察が何もしないから、自民党らしい処分でお茶を濁したってこと」- 日刊スポーツ(2024年4月5日)

https://www.nikkansports.com/m/general/column/jigokumimi/news/202404050000071_m.html?mode=all

★処分される側の怒りの強さは何を意味するのか。自民党党紀委員会の“審議”を経て「離党勧告」を受けた旧安倍派(清和政策研究会)の元文科相塩谷立は弁明書を党に提出。そこには「独裁的・専制的」な党執行部の手法があると指摘し「不当に重すぎる処分で納得がいかず、執行部の独裁的な党運営に断固として抗議する」とするも「不記載に気づけず、止められなかった批判は甘んじて受ける」とある。
★塩谷の弁明は全く受け入れられず、いや、もしかすると早期の復党計画があるのかもしれないが、離党勧告になった。党が重きを置いたのは、金額の問題ではなく、座長としての責任の重さだ。派閥の座長として裏金をやめることができたのに、それをしなかった責任者としての自覚への責任だ。元首相・森喜朗への責任を訴える者がいたようだが、現役の彼らが「もうそういう仕組みはやめる」と言えばかなったこと。森の発案だったかよりも、その運用者に責任がある。
★塩谷は「総裁も含む党の少数幹部により、不透明かつ不公平なプロセス」と党紀委員会など執行部を批判したが、これは強烈なブーメランといえる。00年4月2日に首相・小渕恵三が倒れ、ホテルに集まった幹事長・森、官房長官青木幹雄参院会長・村上正邦政調会長亀井静香(いずれも役職は当時)のいわゆる5人組が密室で話し合い森首相を決めたが、そこから清和会(安倍派)政治が始まったのではないか。いまだに当時のことを塩谷のように森を「党の少数幹部により、不透明かつ不公平なプロセス」で決まった首相とみる向きは党内外に多い。処分決定には悲喜こもごもあるだろうが、これが党の権力闘争の結果と塩谷は感じるべきだ。ただ全体的には立憲民主党小沢一郎が言うように「泥棒しても500万円未満ならいいということになる。検察が何もしないから、自民党自民党らしい処分でお茶を濁したってことだ」に尽きる。(K)※敬称略