<ぎろんの森>オスプレイの危険は身近に - 東京新聞(2023年12月2日)

https://www.tokyo-np.co.jp/article/293513

在日米空軍輸送機CV22オスプレイ=写真は同型機、東京・米軍横田基地で=が鹿児島県の屋久島沖で墜落、乗組員1人の死亡が確認されました。オスプレイの死亡事故は日本国内では初めてです。

東京新聞は1日社説「オスプレイ墜落 国内配備自体を見直せ」で「オスプレイは開発段階から安全性が疑問視され、国内外で事故を繰り返してきた。今回の墜落事故も機体の欠陥によるものではないかと疑われている」と指摘。「この際、在日米軍陸上自衛隊ともに日本国内への配備そのものを見直すべきだ」と主張しました。

本紙社説がオスプレイに初めて言及したのは2010年9月14日の社説です。

沖縄県名護市議選で、辺野古での米軍基地新設に反対する市長派が過半数を占めたことに関連して「米国防総省が垂直離着陸機MV22オスプレイの日本配備方針を明言したことも気掛かりだ。オスプレイは構造が不安定で開発中に墜落事故を繰り返してきた」「具体的な配備先は明らかでないが、それが普天間飛行場でも辺野古でも、危険性は格段に増す」と訴えました。
 その後も、12機のMV22が日本に搬入される際に「開発段階から墜落事故が多発し、安全性への懸念が残る。日本政府は米側の配備強行をなぜ止めないのか」(12年7月20日)、米空軍CV22の横田基地配備では「安全性に懸念を残したままで、周辺住民らが反対するのは当然だ」(18年10月11日)と、安全性への懸念を表明してきました。

オスプレイが最初に日本に配備されたのは沖縄ですが、今では米軍横田基地に加え、陸上自衛隊所属機が千葉県の木更津駐屯地に暫定配備されるなど首都圏にも広がっています。東京新聞の読者にとっても無縁ではありません。

読者からは「オスプレイは欠陥飛行機とはっきり書いてください」と厳しい意見も届きます。

安全性に懸念が残る軍用機が日本上空を自由に飛び回ることを許してはならない。本紙論説室の姿勢は、これまでも、そしてこれからも変わることはありません。 (と)