桜を見る会巡る疑惑 根拠示し説明責任果たせ - 琉球新報(2019年11月19日)

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首相としての資質が問われている。安倍晋三首相が主催する「桜を見る会」を巡り、公的行事を私物化した疑いが強まっているからだ。
首相の後援会関係者が多数招待されていたことが明るみに出たため政府は来年の開催中止を発表した。中止して済む話ではない。安倍首相は説明責任を果たすべきだが、記者会見さえ開いていない。疑念は膨らむ一方だ。
安倍首相は15日、記者団に囲まれる「ぶら下がり」取材に応じ反省の弁を述べた。21分間に及ぶ異例の対応で事態の早期幕引きを図ったとみられるが、記者団との立ち話で終わらせようとする姿勢は国民を愚弄(ぐろう)するに等しい。
まずは参加した後援会関係者の正確な人数と氏名を明らかにすべきだ。内閣府は招待者名簿などの資料を会の終了後、破棄したと説明した。廃棄されたのは共産党議員が関連資料の提出を求めた日だった。やましいところがあるから証拠隠滅を図ったと疑われても仕方がない。情報を集め、資料を復元し公表すべきだ。国民の税金を使った行事だから当然である。
どのような招待基準で、なぜ参加者が増えたのか。政府は、各界で功績、功労のあった人などを招待していると説明したが、安倍氏後援会会員の一人は「地元の人に功労者などいない。誘われた人が別の人を誘い、増えていったんじゃないか」と述べている。
2010年の旧民主党政権時、党所属議員ごとの招待者推薦枠は4人だったという。首相は地元後援会員約800人が前夜祭に出席し、その大半が桜を見る会にも参加したと説明した。異常な招待に映る。人選への関与の有無も根拠を示して説明すべきだ。
安倍氏後援会「前夜祭」の夕食費5千円は安すぎるとして費用の差額分を安倍氏側が補填(ほてん)した疑惑も浮上している。会場は東京・紀尾井町ホテルニューオータニで、立憲民主党が照会すると、夕食費は最低でも1万1千円との回答があったという。
首相はホテル側が設定した価格だと説明するが、疑問が残る。後援会の政治資金収支報告書に前夜祭に関する記載がないこともふに落ちない。
自らの説明責任について安倍首相は「国会から求められれば、説明するのが当然だ」と述べた。だが自民党は、野党が求める衆参両院の予算委員会の集中審議を拒否しており、国会で疑念を十分に解明する機会は設けられていない。
首相は「国会対応は自民党に全て任せている」と語ったが、本当に説明する気があるのなら、野党の要求に応じるよう自民党に指示すれば済む。逃げ口上にしか映らない。
アリバイ作りのように記者団を相手に語った一方的な釈明を、額面通りには受け取れない。発言を裏付ける資料が一切提示されていないからだ。予算委での集中審議を避け続ければ、国民の不信感を増幅させるだけだ。