http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201901/CK2019011902000136.html
https://megalodon.jp/2019-0119-0935-27/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201901/CK2019011902000136.html
沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設で、防衛省は十八日、県に無断で埋め立て土砂の成分比率を変更していたことを本紙の取材で認めた。防衛省は「県の承認を必要とするものではない」と主張した。
沖縄防衛局は着工前、県に埋め立て承認を求めた文書に、埋め立て土砂のうち、岩石以外の砂や粘土など「細粒分」の割合を「概(おおむ)ね10%前後」と記していた。ところが、防衛局は、工事を発注するときになって仕様書で「40%以下」と変更していた。
防衛省整備計画局の担当者は「40%の数値は自分たちの判断で決めた」としながらも、変更の理由やなぜ40%という数値としたのかは明らかにしなかった。
一方、県は、先月から投入が始まった土砂に、環境に悪影響を与える粘土性の「赤土」が大量に含まれている可能性を指摘している。
十八日、防衛局は、現場への立ち入り調査を求めた県に、文書で「最新の試料でも埋立材に問題がないことを確認した」と回答。立ち入り調査や検査用土砂の提供に応じなかった。県は土砂の成分比率を変更した理由についても質問していたが、言及はなかった。
県によると、防衛局は先月以降の土砂の検査結果を回答書に添付。内容は仕様書に適合しているかどうかの検査で、赤土の有無を調べたデータはなかった。県の担当者は、本紙の取材に「こちらが求めた問いかけに明確な回答はなく、はぐらかされた印象だ。土砂の細粒分含有率の変更には、知事の承認が必要だ」と反発。土砂の検査結果を分析し、今後の対応を検討する。 (望月衣塑子、中沢誠)