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米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で、県民投票が行われるまで埋め立て工事を止めるよう求めるホワイトハウスへの請願署名が20万筆を超えた。
新基地建設に反対する沖縄の人々に対し、海を越えて共感の輪が広がっていることは心強い限りだ。
トランプ大統領宛ての請願署名は昨年12月8日にホワイトハウスの請願サイト「ウィー・ザ・ピープル」で始まった。米ハワイの沖縄県系4世ロバート梶原さんが発起人だ。30日以内に10万筆を超えたので、ホワイトハウスから何らかの回答が届くことになる。
署名の数が短期間でここまで伸びたのは、人気モデルのローラさんや県出身のタレントりゅうちぇるさん、お笑いコンビ「ウーマンラッシュアワー」の村本大輔さんら著名人が趣旨に賛同しSNSで声を上げたことが大きい。
7日には、英ロックバンド「クイーン」のギタリストで天文学者のブライアン・メイさんがツイッターなどで署名を呼び掛けた。
ローラさんは写真共有アプリのインスタグラムで「美しい沖縄の埋め立てをみんなの声が集まれば止めることができるかもしれないの。名前とアドレスを登録するだけでできちゃうから、ホワイトハウスにこの声を届けよう」「たくさんの人のサインが必要なんだ」と訴えた。
正々堂々と、おかしなことをおかしいと言える勇気と見識に対し、多くの人が感銘を受けたのではないか。
ところが、ローラさんの呼び掛けの後、ネット上では「国際情勢を勉強しろ」「危険性がそのままでいいのか」などと中傷するコメントが少なからず投稿された。
抑止力の観点からは、海兵隊を沖縄に置かなければならない理由はない。海兵隊は戦後、本土に駐留していた。岐阜、山梨両県から第3海兵師団が沖縄に移駐したのは1950年代のことである。本土で基地反対運動が激化したためだ。米軍が支配する島だったから沖縄に来た。
海兵隊の沖縄駐留は「NIMBY=Not In My Back Yard(自分の裏庭には来るな)」という、本土サイドの政治的な事情に起因している。普天間固定化か新基地かという二者択一の話でもない。
「勉強しろ」と暴言を浴びせる前に、事大主義とは一線を画したローラさんの姿勢から学ぶべき点は多いはずだ。
ネット上では、政治的な発言でも政府に迎合するものなら問題にならず、国と対立する内容だとバッシングが起きるきらいがある。
戦前、戦中、国に逆らう言動をした者が「非国民」と糾弾されたことをほうふつとさせる。極めて危険な傾向だ。
日本政府は県民の声には耳を傾けようとしないが、米国政府の言うことには従う。多くの人の署名は決して無駄ではない。
関連サイト)
#報ステ
— 但馬問屋 (@wanpakutenshi) 2019年1月8日
“署名20万人で米政府も対応へ”
ホワイトハウス前で辺野古への基地移設反対集会❗️
ロバート・カジワラさん
「環境保護の面でも、実際に埋め立てられてしまったら被害は甚大。沖縄にとっても世界にとっても良くない」
…請願サイトでは、ついに署名が20万人超え❗️米政府の対応に注目。 pic.twitter.com/rRM4j0C57P
関連記事)
(「沖縄」を考える 土砂投入)「袋だたき」気にせず発言続ける 坂本龍一さん - 朝日新聞(2019年1月9日)
「ジョージ・クルーニーは人権問題の抗議活動でスーダン大使館の敷地に平然と入り逮捕されました。アーティストは発言や行動に影響力があり『炭坑のカナリア』のような存在です。」