http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/286884
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終業式すら開かれずに夏休みを迎える子どもの不安はいかばかりだろうか。西日本豪雨から2週間。濁流が家屋をのみこんだ岡山県倉敷市真備町では公立小中学校の臨時休校が解かれぬまま長期休暇に入った
▼体育館が避難所に使われ、校長のあいさつを各教室のモニターで聞いた小学校もあった。20日現在の死者は15府県で225人、住宅被害は約3万8千棟。その数はさらに増えるとみられ、先が見えぬ被災者の状況は続く
▼県内のほとんどの小中学校はきょう夏休みに入り、初日が台風10号の接近と重なった。バスは始発から止まり、多くの催しは中止になった
▼沖縄市の山内小学校では20日、全体朝会で台風への注意を呼び掛けつつ豪雨被害の犠牲者に黙とうをささげた。前田真利校長は想定を超える災害の恐ろしさと命の大切さを伝えた。身近で困っている人を助ける意識を持つよう児童に投げ掛けた
▼「助ける」光景は先の台風7号で避難所となった沖縄市役所で見られた。老朽化が進むアパートに不安を抱える80歳の女性。隣室の67歳男性が足の不自由さを気遣って車で同行した
▼被災地には猛暑と熱中症に苦しむ住民がいる。障がいがある人、妊産婦、受験生…。不安を抱える人は尽きない。被災者の境遇に想像力を働かせ、男性のように身近で何ができるかを考えたい。(溝井洋輔)