(大弦小弦)若手経済人の組織である公益社団法人日本青年会議所(JC)が、ツイッターで… - 沖縄タイムズ(2018年3月8日)

http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/219587
https://megalodon.jp/2018-0308-0949-19/www.okinawatimes.co.jp/articles/-/219587

若手経済人の組織である公益社団法人日本青年会議所(JC)が、ツイッター憲法改正の機運を高めるため作成したアカウントが「不適切な発言を繰り返していた」と謝罪した。「対左翼を意識し、炎上による拡散も狙う」のが目的だった

▼「右翼」を連想させるキャラクター「宇予(うよ)くん」が「中国、韓国と日本は国交断絶、もしくはミサイル爆撃した方がいい」とつぶやく。朝日新聞やNHKの報道姿勢を口汚くののしり「戦争しないよう抑止力のため九条を改正する」。果ては個人攻撃にまでエスカレート

ツイッター以外でもJCはサイトで人気お笑い芸人を無断で漫画に登場させ改憲へ関心を引こうとしていた。もちろんこの国には、表現や思想信条の自由がある

▼だが、一番の問題は公的な存在であるJCが運営主体であることを明かさないまま世論を誘導しようとした点だ。JCは「全て担当者の個人的見解」と結論づけた

▼あまりの差別的なツイートに批判が上がり、内部告発で問題が明らかになったことが救いだ。安倍政権は今年中にも憲法改正の発議を目指す。JCの動きはそれに呼応するものだ

▼護憲、改憲、加憲。「平和主義」を唱う9条を中心に憲法をめぐる立場はいろいろあろう。基地が集中する沖縄の現状を踏まえ、地に足の着いた堂々とした議論を望みたい。(知念清張)