男女平等日本114位 政界に女性増やす施策を - 琉球新報(2017年11月14日)

https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-612984.html
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男性優位なこの国の政治は、今衆院選でも変わる兆しはなかった。立候補者の一定割合を女性に割り当てるクオーター制など、女性議員を増やす仕組みづくりに本腰を入れるべき時だ。
ダボス会議を主催するスイスの「世界経済フォーラム」が発表した2017年度版の男女格差報告で、日本は144カ国中114位となり、過去最低だった前年の111位からさらに後退した。先進7カ国では最下位という残念な結果になった。主な要因は政治家と企業幹部に女性が少ないためだ。
差指数は女性の地位を経済、教育、政治、健康の4分野で分析し、ランキング化した。指数を分野ごとに見ると日本社会の課題が分かる。
「政治」は123位と前回から20も順位を下げた。国会議員の男女比が偏っていて、女性閣僚の比率が低いことが順位を押し下げている。
「経済」はほぼ横ばいの114位だった。労働参加率、賃金の男女差はそれほど大きくないものの、男女の収入格差が大きく、専門職や技術職で女性が少ない。女性にパートタイムや非正規雇用が多いことを示唆している。幹部・管理職の割合も男女差が大きい。
格差はそれほど大きくないが、問題があるのは「教育」だ。日本は中等教育までは男女はほぼ平等だ。しかし大学進学率で男女差があり、さらに理工学系などの分野での男女比が大きく偏っている。高等教育を受ける機会が少ないことが女性の就職に影響し、ひいては管理職の少なさや収入格差につながっているのではないか。
格差を是正するために、まずは政治分野で女性の政界進出を促す取り組みを進めるべきだ。今衆院選も女性の割合は全立候補者の17%、当選者の10%にとどまる。参院議員は20%で、両院で13・7%しかいない。
このままでは政治の世界で、政府が掲げる「20年までに指導的地位の女性割合を30%にする」との目標達成は見通せない。
先の通常国会では、候補者の男女比率を「均等」にするよう政党に努力義務を課す「政治分野における男女共同参画推進法案」を成立させる動きがあった。しかし、臨時国会冒頭解散のあおりで与党案、野党案とも廃案になった。
国会のほとんどを男性議員が占めてきた日本では、政策立案に女性の意見が反映されにくかった。少子化や待機児童の問題など、当事者性を持つ女性国会議員が参画することで現実的な議論ができる。経済や教育の分野で女性活躍を促す施策も提案できるだろう。
女性の政治進出を阻む壁はいまだ高い。理念として女性参画を掲げるだけではなく、政府は女性議員を増やすことができる仕組みを早急に取り入れるべきだ。