ヘリ炎上 民家から300メートル 沖縄知事、米に飛行停止要求へ - 東京新聞(2017年10月12日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201710/CK2017101202000285.html
https://megalodon.jp/2017-1013-0913-35/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201710/CK2017101202000285.html


沖縄県東村(ひがしそん)高江の民間地で十一日、米軍普天間(ふてんま)飛行場(宜野湾(ぎのわん)市)所属のCH53E大型輸送ヘリコプターが炎上、大破した事故現場は民家から約三百メートル地点だったことが十二日、分かった。防衛省沖縄防衛局の中嶋浩一郎局長が明らかにした。 
翁長雄志知事は十二日午後、現場を視察した。米側に対し、厳重抗議するとともに同型機の飛行停止を求める見通し。政府も原因究明や再発防止を求めた。
県警は現場周辺に規制線を張り、警察官を配置。航空危険行為処罰法違反容疑を視野に、捜査に着手するかどうか検討しているとみられる。
しかし、日米地位協定の関連文書では、米軍の同意がない場合、日本の当局に米軍の「財産」の捜索や差し押さえをする権利はないとされ、日本側が原因究明に関与できない懸念が残る。
十二日午前に現場を視察した伊集盛久(いじゅせいきゅう)村長は「機体の三分の一が炎上し、衝撃を受けた」と語った。米憲兵隊は県警に対し、環境調査が終わり次第、速やかに事故機を撤去する方針を示したという。
米ハワイ出張中の河野(かわの)克俊統合幕僚長は、ハリス米太平洋軍司令官に原因究明などを求めた。小野寺五典防衛相が十二日、防衛省で記者団に語った。
事故機は十一日午後、訓練中に上空で出火し、米軍北部訓練場に近接した牧草地に緊急着陸、炎上した。乗員七人や周辺住民にけがはなかった。
米軍機の事故を巡っては二〇〇四年八月、普天間飛行場近くの沖縄国際大の構内に米軍ヘリCH53Dが墜落、炎上し、米兵三人が負傷した際、米軍が現場を事実上の封鎖状態とし、県警は現場検証を実施できなかった。