稲田氏発言 「首相に国会召集要請を」 野党、衆院議長に - 毎日新聞(2017年6月29日)

https://mainichi.jp/articles/20170629/k00/00e/010/276000c
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稲田朋美防衛相が東京都議選(7月2日投開票)の応援演説で「防衛省自衛隊、防衛相、自民党としてもお願いしたい」と発言した問題で、民進、共産、自由、社民の野党4党は29日午前、自民党に稲田氏の罷免を要求した。さらに大島理森衆院議長に対し、稲田氏発言や学校法人「加計(かけ)学園」問題を審議する臨時国会の召集を安倍晋三首相に働きかけるよう要請。首相は稲田氏を続投させる方針だが、4野党は首相の任命責任を追及し、罷免要求を強める構えだ。
民進党山井和則国対委員長は29日、自民党竹下亘国対委員長と国会内で会談し、野党4党首連名の声明を手渡した。声明は、稲田氏の発言が「自衛隊を私物化し、政治利用するかのごとき発言だ」と即時罷免を求め、臨時国会の早期召集と閉会中審査も要求。竹下氏は罷免や臨時国会召集の要求を「官邸に伝える」とし、閉会中審査は「今は開く気はないが、都議選後に総合的に判断する」と述べるにとどめた。
その後、野党4党の国対委員長らは大島議長と会談し、早期の召集を促すよう申し入れた。大島氏は「内閣に伝える。回答があれば野党に伝えたい」と応じた。
稲田氏は27日、都議選の自民党候補への応援演説で「自衛隊としてもお願いしたい」などと発言し、同日中に撤回した。民進党前原誠司元外相は29日午前、東京都中野区の街頭演説で、国土交通相時代を振り返り「何度か選挙応援に行ったが『海上保安庁も応援します』なんて言ったことはない。稲田氏は閣僚の立場と政治家の立場を混同した」と批判した。
一方、菅義偉官房長官は29日の記者会見で「(稲田氏には)今後も誠実に職務に当たってほしい」と繰り返し、続投させる考えを強調した。自民党は「サービス精神で言ってしまったのだろう」(下村博文幹事長代行)などと擁護し、都議選への逆風を食い止めようと躍起だ。稲田氏は29日午前、防衛省に登庁し、記者団の問いかけには無言だった。【真野敏幸、影山哲也】