文書の真偽はぐらかす 「加計」再調査結果発表 文科相が釈明 - 東京新聞(2017年6月16日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201706/CK2017061602000121.html
https://megalodon.jp/2017-0616-0954-48/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201706/CK2017061602000121.html

政府が「怪文書」と切り捨てたはずの文書は存在していた−。文部科学省は十五日、学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設計画を巡り、「総理のご意向」などと記された文書が省内に存在していたことを認めた。一度は「確認できなかった」としたものの、調査が不十分との世論の強い批判を受けて追い込まれた再調査で状況は一転。松野博一文科相は、当初の調査について「その時点において合理的な調査だった」と釈明する一方、「行政プロセスがねじまげられたとは考えていない」と強弁した。 (小林由比、中沢誠)
「(首相官邸などの意向があった、とする内閣府側の)発言はあったんだろうということはヒアリングで出ているが、真意は分からない」。松野氏は同日の会見で、「総理のご意向」や「官邸の最高レベルが言っている」と記された文書の存在を認める一方、肝心の中身の真偽についてははぐらかすような答えを展開した。
内容を確認するのかを問われても「個人の備忘録にあたるものもあり、対象者にこういった内容の発言であったかを確認して進めるものではない」「中に書かれている事実は、各大臣等が(国会の)委員会で答弁している」とかみ合わない回答に終始。真相解明に積極的な姿勢は見られなかった。
手元の資料に目を落としながら答える場面が目についた松野氏。記者から矢継ぎ早の質問を遮るように、「次の公務がある」として会見は約二十分で打ち切られた。
その後、質疑に対応した義本博司総括審議官にも、報道陣から前回の調査のずさんさを突く質問が相次いだ。
今回の再調査では「官邸の最高レベル」などの文言が書かれた文書を専門教育課長補佐が作成していたことが判明した。しかし、前回の調査ではこの課長補佐も「見た記憶がない」と答えていたとしていた。「組織的な隠蔽(いんぺい)ではないか」との問いに、義本氏は「限られた時間だったので、丁寧にやれば記憶を呼び覚ますことがあったかもしれない」と苦しい釈明に終始。わずか半日で結論を出した、五月十九日の前回調査の正当性を主張した。