http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201705/CK2017052402000122.html
http://archive.is/2017.05.24-004531/http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201705/CK2017052402000122.html
犯罪の合意を処罰する「共謀罪」の趣旨を含む組織犯罪処罰法改正案は二十三日の衆院本会議で、自民、公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決され、衆院を通過した。審議続行を求めた野党を与党が押し切って採決した。民進、共産両党は本会議に出席して反対。自由、社民両党は欠席した。与党は二十九日の参院本会議で審議入りさせる方針。今国会での成立を期し、来月十八日までの会期を延長する検討に入った。野党四党は廃案を目指し、引き続き法案の危険性を訴える。
衆院本会議の採決に先立つ討論で、民進党の逢坂誠二氏は、国連特別報告者が人権への影響に懸念を示す書簡を公表したことに触れ「立法作業は中断し、再検討すべきだ」と訴えた。共産党の藤野保史氏は「審議が尽くされていない。数の力でのごり押しは国会の役割の否定だ」と強調した。
自民党の平口洋氏は、国連特別報告者の書簡について「法案の内容を正しく理解していない」と反論した。
金田勝年法相は採決後、参院審議に向け「引き続き重要性と必要性を丁寧に説明したい」と語った。民進党の山尾志桜里氏は「一般人が捜査対象になるという真実に目をつぶり、うそをついて安心させる議論はやめてほしい」と批判した。
法案は二百七十七の犯罪を計画段階で処罰できるようにする内容。内心の自由の侵害や、一般の人が捜査の対象になる恐れが指摘されている。四月六日に衆院で審議入り。与党は今月十九日の衆院法務委員会で採決を強行した。