9条の思い 国連に届け 市民団体初シンポ - 東京新聞(2017年5月14日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201705/CK2017051402000119.html
http://megalodon.jp/2017-0516-0907-17/www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201705/CK2017051402000119.html

「地球憲章」づくりを目指す市民グループ「9条地球憲章の会」は十三日、初のシンポジウムを東京都内で開いた。憲法九条が掲げる戦争放棄や戦力不保持に対し、海外から寄せられた賛同のメッセージが報告される一方、安倍晋三首相の改憲提案を危ぶむ声が上がった。
同会は三月に発足。九条の理念を生かした地球憲章を各国の市民に作ってもらい、戦争のない世界の実現を目指している。
この日の報告によると、趣意書を各国語に翻訳して賛同を呼び掛けたところ、現時点で国内外の計二百三十七人が賛同を表明。このうち海外は欧米、アジア、アフリカなど十三カ国・地域の五十一人に達した。
海外からのメッセージには「九条に示された戦争に終結をもたらす試みは、平和への最善の希望」(米国)、「日本国憲法に示された非戦・非武装の道は、戦争の恐怖をなくす最も賢明な判断」(モロッコ)などと、九条の根幹部分に共感した声が多い。
元米兵でオハイオ大名誉教授のチャールズ・オーバービーさんからは「九条は全人類の幸福にとって、とても重要。世界中の憲法に広げるため、粉骨砕身の努力を」とのビデオメッセージが届いた。
自衛隊憲法に明記する首相の改憲提案に対しては、代表の堀尾輝久・東大名誉教授が「私たちは怒りを共有している」、浦田賢治・早大名誉教授は「米国のテロとの戦争に日本が参加する道につながる」と懸念を示した。
同会は引き続き賛同者を募りながら、「日本版」地球憲章の作成をスタートさせる予定。将来的には「世界共通版」の地球憲章を国連で採択する構想も描いている。 (安藤美由紀)