(政界地獄耳)安倍首相は説明責任を果たす時では - 日刊スポーツ(2017年3月17日)

http://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1793383.html
http://archive.is/2017.03.17-054449/http://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1793383.html

★ついに森友疑惑は、首相・安倍晋三の学園への寄付金騒動へと発展した。今後は同学園理事長・籠池泰典の証人喚問における与野党の攻防戦、籠池砲の破壊力によっては、内閣は厳しい環境に追い込まれる。そもそも、防衛相・稲田朋美と首相、首相夫人に嫌疑がかけられ、連日国会で質問を受けていること自体が異常だが、メディアがさまざまな関係を探ると無関係とも言い難くなってきた。3人は、国会に真摯(しんし)に答えるわけでもなく「何の関係もない」「会ったこともない」を繰り返してきた。相応の答弁をする責任を負うべきだろう。
★どんなに自民党が議会でこの3人を、いや、もっと増えるかもしれない疑惑の関係者を守ろうとしても、学校設立を舞台にしていたこと、現職の首相夫人が名誉校長を務めることになったことや、首相自身が同学園に講演に行く予定まであったことなどが明るみに出てきた今、だんまりを決め込むのは得策でない。証人喚問にようやく応じた自民党だが、理事長辞任の段階で「ここが幕引きのタイミング」とばかり「参考人招致は必要なくなった」との声を上げた。確かに籠池の発言はすべてにおいて確認作業が付きまとう可能性があり、それを自民党が嫌うのは理解できるが、講演などに群がった首相や日本会議に近い議員、保守論客らの極めて狭い交友関係が露呈することになるだろう。
★籠池発言に野党も色めき立つが、何らかの証拠を示さない限り、首相もまた、記憶をたどり「ない」と言い続けることになるだろう。しかし、この疑惑発覚時に首相は「国有地払い下げに関係していれば、首相の辞任どころか議員も辞める」と、たんかを切った。証拠がないからクロとは言えないが、シロとも言えないというやりとりが、既に国会の混乱を招いていることになる。
★首相の口癖の1つに「私に任命責任がある」「責任は私にある」というのがあるが、1度もその責任を取っていない。閣僚の不祥事も内閣改造で切り抜け、責任を先送りし続けた。今こそ国民にすべての経緯を説明し責任を果たす時ではないか。(K)※敬称略