小田原市職員の上着に「不正受給はクズ」 生活保護担当が市民訪問に着用も - 東京新聞(2017年1月18日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201701/CK2017011802000128.html
http://megalodon.jp/2017-0118-0956-46/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201701/CK2017011802000128.html


神奈川県小田原市で二〇〇七年以降、生活保護受給者の自立支援を担当する市職員ら六十四人が、「不正受給はクズだ」などの趣旨の英文が背面にプリントされたジャンパーを自費で購入し、一部の職員が勤務中に着ていたことが分かった。市が十七日発表した。左胸部分には「HOGO NAMENNA」、保護なめんなと読めるエンブレムが付いており、ジャンパーを着たまま受給者宅を訪れるケースもあった。
市は同日までに使用を禁止し、担当部長ら七人を厳重注意処分とした。加藤憲一市長は「配慮を欠いた不適切な表現で申し訳ない」とのコメントを出した。市によると、〇七年七月、生活保護の受給資格を失った男が同市役所で、職員二人をカッターナイフで切り付けた事件を機に、当時の担当係長の発案で業者に依頼し作った。職員らは受給者宅で相談に応じるケースワーカーや庁内勤務の指導員で、二十八人が現職。
ジャンパーの背面には「不正受給してわれわれを欺くのであれば、あえて言う。そのような人はクズだ」「私たちは正義だ。不正が発覚した時は追及する」などといった趣旨の英文がプリントされていた。
係長だった職員は「仕事がきつく、職員の士気を高めたかった。受給者向けのメッセージではない」と釈明している。
◆威圧するような態度に
<弁護士やケースワーカーでつくる「生活保護問題対策全国会議」事務局長の小久保哲郎弁護士の話> 開いた口がふさがらない。不正受給をしているのは全体の支給額の約0・5%なのに「なめんな」と書かれたジャンパーを着てケアに当たれば、団結して威圧するような態度と言える。論外だ。市は生活保護制度の前提が理解できていないのではないか。