(記者の目)憲法改正論議と日本会議 - 毎日新聞(2016年12月7日)

http://mainichi.jp/articles/20161207/ddm/005/070/015000c
http://archive.is/2016.12.09-003304/http://mainichi.jp/articles/20161207/ddm/005/070/015000c

政治離れが生む存在感
そこに熱はない。
原発デモで国会を取り巻いた人たちには「切実さ」があった。ヘイトスピーチに抗する人々は「怒り」を共有していた。安全保障関連法制を巡っては、少なからぬ人が「SEALDs(シールズ)」の若者に「希望」を見ていた。しかし、9条などを念頭に改憲を目指す保守団体「日本会議」には、市民運動が帯びるはずの熱がない。講演会やイベントは形式張っていて、よく地方で見られる選挙事務所を思わせた。改憲を求める署名が淡々と積み上がっていく様は事務的で、自治体職員による選挙の開票作業を連想させた。どこか冷めた、まるで機械を見るようだった。