強制退去処分を高裁が取り消し - NHK(2016年12月1日)

http://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20161201/4858011.html
http://megalodon.jp/2016-1202-0909-56/www3.nhk.or.jp/tokai-news/20161201/4858011.html

不法残留となって強制退去を命じられたブラジル人の男性が処分の取り消しを求めた裁判で、2審の名古屋高等裁判所は「帰国すれば一家離散となり著しく人道に反する」などと指摘し、国に対して処分を取り消すよう命じました。
三重県に住むブラジル国籍の37歳の男性は3年前、ひき逃げなどの疑いで逮捕され、執行猶予の付いた有罪判決が確定しましたが、逮捕される13日前に在留期限を過ぎて不法残留となったため名古屋入国管理局から強制退去を命じられました。
男性はフィリピン人の内縁関係の女性のほか、3人の子どもと同居していて、処分の取り消しを求める裁判を起こしましたが1審は認めませんでした。
11月30日の2審の判決で名古屋高等裁判所藤山雅行裁判長は「病弱な内縁関係の女性が日本語しか話せない子供らを育てるのは不可能で、男性が帰国すれば一家離散の事態となり、著しく人道に反する」などと指摘し、国に対して強制退去の処分を取り消すよう命じました。
男性の弁護士は「戸籍上の家族ではないのに認められるのは珍しい」と話しています。
一方、入国管理局は「判決文を読んで対応を検討する」としています。