(政界地獄耳)焦る自民 百合子効果か - 日刊スポーツ(2016年9月5日)

http://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1705331.html
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参院選に勝利した自民党に、何やら強い焦りがあるようだ。それは2人の閣僚の発言からも強く読み取れる。1つは復興相・今村雅弘の1日の発言。福島にある復興庁福島復興局の会議後のぶら下がりで「人が住めるようにすることなんて出来るのか」という記者の問いに「出来る、出来ないじゃない。とにかくやるんだ」と答えた。これは前復興相がスキャンダルにまみれていて、復興作業が進まず、今村が不退転の決意を語ったのでも、遅々として進まない除染に業を煮やしているのでもない。
★2日、自民党幹事長・二階俊博はテレビ収録で26日召集の臨時国会で、先の国会で審議が進まなかったTPPについて「何が何でもやっていきたい。これから議論していけば時間はある」とした。また同日、二階は「早めに準備しておくに越したことはない。何かがあって追っかけていくというより、早く準備できればそれに対応していけばいい」と、これまでに国会で3回廃案となってきた「共謀罪」について「テロ等組織犯罪準備罪」と名称変更した法案を臨時国会に提出する考えを示した。
★「出来る、出来ないじゃない」「何が何でもやっていきたい」と閣僚や党幹部が発言する裏にはどんな焦りが隠されているのか。自民党関係者は「都知事小池百合子効果ではないか」と分析する。「今まで、いつの間にか決まっていたさまざまな問題を小池のように立ち止まって検証されたらたまらないという思いと、除染にしろ共謀罪にしろ、4年後に迫る東京オリ・パラ開催までに国際社会に約束した福島原発の安全性とテロ対策をまとめ上げなければならないという焦りだろう」。国民も学習していることをお忘れなく。(K)※敬称略