浜岡工事 5回目の延期 中電方針:静岡 - 中日新聞(2016年7月26日)

http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20160726/CK2016072602000094.html
http://megalodon.jp/2016-0726-1055-52/www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20160726/CK2016072602000094.html

◆安全対策、完了時期も未定
中部電力は、浜岡原発御前崎市)の安全対策工事の工期を延期する方針を固めた。4号機は九月、3号機は来年九月の完成を目指してきたが、工事の一部が遅れていた。延期は五回目で、今回は初めて完了時期の設定も見送る。今月末にも、原子力規制委員会の審査を踏まえた追加工事とともに延期を公表するとみられ、浜岡の再稼働時期は、これまで以上に不透明になる。
中電は二〇一一年三月の東京電力福島第一原発事故後、いち早く地震津波の対策強化に着手。当初は「二、三年で再稼働できる」(中電幹部)と見込んだが、その後に国が新規制基準を定め、南海トラフ巨大地震の想定も見直したことを受けて、設計変更を繰り返した。同じ現場で防火や耐震の工事が重なるなど、日程の調整は難航し、遅れの一因ともなった。
一方、耐震設計の前提となった地震の揺れの想定が妥当かどうかなどを判断する規制委の審査は開始二年以上たっても終了のめどが立たない。審査次第でさらなる工事追加の可能性が残るため、完了時期を示すこと自体が困難と判断した。
福島第一原発と同じ沸騰水型軽水炉(BWR)で再稼働した原発はまだなく、浜岡を含む五原発が横並びで規制委の審査を受けている。審査の進展によっては追加工事が必要になるので、工事の完成目標を明示するかどうかの判断は分かれている。東京電力柏崎刈羽原発日本原子力発電・東海第二原発は完工時期が未定。中国電力・島根原発は一六年度内、東北電力女川原発は一七年四月の完工目標を今のところ取り下げていない。
規制委の審査と工事を終えても、再稼働には地元同意などのハードルが残る。