ハンセン病隔離法廷 差別助長 最高裁長官「深くおわび」 - 東京新聞(2016年5月3日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201605/CK2016050302000115.html
http://megalodon.jp/2016-0505-0903-31/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201605/CK2016050302000115.html

最高裁の寺田逸郎(いつろう)長官(68)は憲法記念日を前に記者会見し、ハンセン病患者の裁判を療養所などの隔離施設で開いた「特別法廷」問題について、「憲法的価値の実現を担う裁判所が差別を助長する姿勢だったことは、痛恨の出来事であり、重く受け止める。患者や元患者ら関係者、社会、国民の皆さまに深くおわび申し上げる」と謝罪した。
最高裁は四月二十五日、特別法廷設置を一律に許可してきた司法手続きの違法性を認め、謝罪した。寺田長官は会見で「日本国憲法の基本理念である『法の支配』の重要性と裁判所の職責の重さに改めて思いを致し、国民の信頼に応えていけるよう一層努力を続けていく」と話した。
憲法改正の是非については「国民的な議論を基に、国会や社会全体で決めること。その動きを十分に注視していきたいが、それ以上のことを申し上げられる段階にはない」とした。