西川元農水相 TPP「内幕本」の全文入手 「安倍首相『族を以って族を制す』」 - 週刊朝日(2016年4月20日)

http://dot.asahi.com/wa/2016041900209.html

一冊の本のゲラ刷りが国会で波紋を呼んでいる。

衆院環太平洋経済連携協定(TPP)特別委員会の委員長を務める、自民党西川公也衆院議員が、TPPについて『TPPの真実─壮大な協定をまとめあげた男たち─』(中央公論新社)という、交渉の内幕を書いた著書の出版を計画。
原稿では≪最後の最後で交渉の切り札を持っていました≫と得意げに交渉過程に触れているのだ。
西川氏は原稿の中で、≪安倍首相に「TPPに対する党の意見を集約してほしい」と言われ(略)、首相が取りまとめを頼んできた理由は「族を以って族を制す」ということ≫と分析。

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オーストラリアのロブ大臣と秘密裏に会談したと明かし、牛肉の関税率を38.5%から半分の19%と提示されると、≪私は即座に「それはさすがにダメだ。冷蔵(チルド)と冷凍(フローズン)の2種類に」などと交渉した≫と記す。

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≪フロマン代表はアメリカが得するのは750億ドル(約9兆円)で日本が得するのは1000億ドル(12兆円余)だと言うのです。「日本の試算によると、日本が得するのは8.5兆円で貴方たちの数字と真逆になっています。(略)」と返しておきました≫


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自民党幹部によれば、
「本は西川氏が書いたのは間違いない。政治資金パーティーで配るんだと言っていた。TPPが政局になる時期に、いいのかと思っていた」
西川事務所に事実関係を取材したが、期日までに回答は得られなかった。(今西憲之)