(私説・論説室から)岩国にみる「アメとムチ」 - 東京新聞(2016年2月24日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2016022402000135.html
http://megalodon.jp/2016-0224-1053-29/www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2016022402000135.html

山口県岩国錦帯橋空港に降りた。米軍岩国基地の滑走路が沖合移設された後に開設された軍民共用空港だ。土曜日なのに時折、戦闘機のエンジンを回すごう音が響いた。
沖合移設は米軍機の騒音と危険に悩まされていた住民が要望した。埋め立てに使う土砂は岩国市内の愛宕山を削り、跡地を住宅地として整備すれば、滑走路移設と宅地開発が同時に進む一石二鳥のアイデアだった。
ところが、宅地開発を進めた県と市は赤字が見込まれるとして国に買い取りを要請。国は神奈川県の厚木基地から移転する空母艦載機部隊の住宅用地として購入した。
艦載機移転と米軍住宅建設に反対する田村順玄岩国市議は「最初から愛宕山を米軍住宅にする計画だったのではないか」と疑う。
艦載機移転に反対した当時の市長は、国が約束していた岩国市役所の建設補助金負担をほごにされ、受け入れ容認派の現市長に敗れた。国は現市長の再選前、市の要望通り、全小中学校へのエアコン設置を発表、三選前には岩国錦帯橋空港への増便を許可した。
見え透いた「アメとムチ」。艦載機が移駐すれば、米軍機だけで百三十機近くとなり、極東最大の基地とされる沖縄の嘉手納基地を上回る。これに既存の自衛隊機約四十機が加わる。沖合移設の効果を相殺するほどの騒音と危険にさらされるのではないだろうか。ムチを実感するのはそのときだ。 (半田滋)

岩国騒音訴訟、国に賠償命令 飛行差し止め請求は棄却 - 朝日新聞(2015年10月15日)

http://www.asahi.com/articles/ASHBG3VGCHBGTZNB004.html
http://megalodon.jp/2016-0224-1050-50/www.asahi.com/articles/ASHBG3VGCHBGTZNB004.html

米軍機の飛行差し止めについては「国は米軍機の活動を制限できる立場にない」と指摘。自衛隊機の飛行差し止めについても「行政訴訟はともかく、民事訴訟による請求は不適法」と判断した。

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岩国基地 山口県岩国市の中心部を流れる錦川河口の三角州にあり、面積は約790ヘクタール。FA18ホーネット戦闘攻撃機や米軍普天間飛行場沖縄県)から移駐したKC130空中給油機など約75機が所属し、軍人やその家族ら米軍関係者約6600人が暮らす。海上自衛隊も共用している。2017年ごろには米軍厚木基地(神奈川県)から空母艦載機59機の移駐が予定され、嘉手納基地(沖縄県)と並んで極東最大規模の航空基地になる。

日本で唯一!米軍基地内の空港のヒミツ - NAVER まとめ
http://matome.naver.jp/odai/2136248554640543901