稲田自民政調会長の国会質問 憲法9条「分離解釈」は誤記 朝日訂正 - 日本報道検証機構(2016年2月9日)

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朝日新聞は2月4日付朝刊で、3日の衆議院予算委員会採録で、稲田朋美衆院議員(自民党政調会長)の質問内容として「9条の1項と2項を分離解釈すれば自衛隊違憲となる」と記したのは「分離解釈」ではなく、字句に従って法文を解釈する意味の「文理解釈」だったとして、5日付朝刊で訂正した。
日本国憲法は、9条1項で「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」、2項で「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」と定めている。自衛隊憲法9条2項の「陸海空軍その他の戦力」に当たるとの学説が憲法学界では多数とみられ、朝日新聞が昨夏実施した憲法学者へのアンケートでも、約7割が自衛隊憲法違反またはその可能性があると回答していた。
朝日の訂正はマスコミ出身者らが発行する「メディアウォッチ100」2月8日発行号でも2人の新聞社OBが取り上げ、「憲法問題に熱心な朝日にとって、このミスは実に大きい」「ミスでは済まされない」などと厳しく指摘されていた。

3日の国会での稲田議員と安倍首相の憲法改正に関するやり取りは、朝日新聞が6日付朝刊の「首相の改憲論 あまりの倒錯に驚く」と題する社説で取り上げ、「その論法はあまりに倒錯している」「ずいぶんと都合にいい話」などと批判。その中では「文理解釈」には触れなかった。