報道圧力の処分軽減 自民 安保法成立、対応一変 - 東京新聞(2015年10月3日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201510/CK2015100302000134.html
http://megalodon.jp/2015-1005-0936-09/www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201510/CK2015100302000134.html

自民党は二日、党所属若手議員らの勉強会で報道機関に圧力をかける発言が相次いだ問題をめぐり、一年の役職停止とした木原稔前青年局長の処分期間を三カ月に軽減したと発表した。安全保障関連法の国会審議への影響を懸念し早期処分に踏み切ったものの、法成立を受け対応を一変させた。野党側は「どさくさに紛れて、処分を軽減するのはめちゃくちゃだ」(社民党又市征治幹事長)などと批判を強めた。
谷垣禎一幹事長が二日の党紀委員会で「本人も反省し、その気持ちが明確だったので、三カ月で『役職停止』を終わらせたい」と報告した。
一年の役職停止には党内から「重すぎる」(安倍晋三首相周辺)との反発が出ていた。六月二十七日付の処分は九月二十六日で失効。今月七日以降の内閣改造・党役員人事などで木原氏の登用が可能となる。
民主党枝野幸男幹事長は取材に「真面目にコメントするレベルの話ではない。『笑うしかない』の一言だ」と、自民党の姿勢を非難。維新の党の今井雅人幹事長は記者団に「最初は厳しく処分して世論が冷めたころに、処分を甘くする。自民党の体質だ」と語った。
又市氏は「表現の自由報道の自由を軽視する自民党の本質がよく表れている」とも指摘した。
勉強会代表だった木原氏は処分軽減を受け「悔恨と反省の日々を過ごしてきた。処分が解除となったが、これからも大局を見極める政治家となるよう努力する」とのコメントを出した。
勉強会は首相に近い若手が六月、作家の百田尚樹(ひゃくたなおき)氏を講師に招いて自民党本部で開いた。出席者から、安保関連法を批判する報道について「マスコミを懲らしめるには広告料収入をなくせばいい」などの声が上がった。
執行部は木原氏を処分したほか三人の衆院議員を厳重注意とした。